JALがブランド力を回復させるためにソーシャルメディアに取り組んだ理由

JALがブランド力を回復させるためにソーシャルメディアに取り組んだ理由

Facebookの企業ページの老舗となったJAL。しかしその足取りは簡単なものではありませんでした。特に2010年の経営破たんからの回復は並大抵のことではありませんでした。1985年の日本航空123便墜落事故に続き、経営上、ブランド上大変大きな損失でした。

色んな記事にインタビューが掲載されているんですが、2011末からJALが取り組んだ足取りを様々な記事の中から紐解いてみましょう。

 

 

ブランドの失墜を乗り越えるための施策としてのソーシャルメディア活用

数あるソーシャルメディアの中からFacebookを選んだ理由は、まさに「顔が見えない」といわれていたからこそ、中で働く人の顔を出して仕事と想いを伝える場としてぴったりだと考えたからだ。
JALのFacebookページ運用の裏側。あの投稿はこうして生まれた

 

 

 チームは社内で有志を募って立ち上げました。JALのイメージが悪化している中で、あえてリスクのあるSNSに取り組むことに、社内でも反対意見があったのは事実です。しかし、ちょうど経営破綻後のJALのブランドイメージの再構築というタイミングでもあり、「テストマーケティング」という位置付けで社内をまとめていきました。
Facebookの目的は「もう一度お客様と向き合うため」–日本航空(前編)

 

 

――開設するに当たって、社内から反対の声などはあったのでしょうか。

それは、かなりありました。検討を始めた時期には、Facebookとは何かというのも分からない者がほとんどでしたし、そもそも「ソーシャルとは何か」ということも浸透していませんでしたので、いわゆる「炎上」を心配する声をはじめ、ネガティブな反応が少なからずありました。

そこで、ネガティブな意見に対して1つずつ対策を用意して、最終的には幹部も含めて1人ひとり説得して回ったんです。大変ではありましたが、プロジェクトチームが1つになって強い意志を持って解決をしていくことで実現したと思っています。
狙いはブランド回復、JALの「顔が見える」ページ 最新フェイスブック教室(5)

順風満帆だから取り組むのではなく、ピンチだからこそ真摯に取り組むということだったんですね

 

専任部署・担当者なし。やる気のある人が集まったFacebookチーム

2011年1月にFacebookチームを立ち上げた時、あえて専属の部署や担当者を決めず、やりたい人が手をあげてチームを作った。現在も、桑﨑氏が所属するWeb販売部とコーポレートブランド推進部、宣伝部、マイレージ事業部、お客さまサポート室などのメンバーが、10名弱のチーム体制で運用している。
JALのFacebookページ運用の裏側。あの投稿はこうして生まれた

 

 

でも決めることはしっかり決めると。社内のメンバーだから実現出来たのか、いやいや、やはりこれは「部署の壁」を乗り越えた担当者さん達のやる気の問題だったんでしょうね。

“万全”の体制で反対勢力を説得

――具体的には、どのように説得されたのでしょうか。

JALとしてソーシャルメディアに参加する理由をはっきりさせるのはもちろん、投稿体制や投稿内容の方針、運営体制、緊急連絡網なども用意しました。実際は、Facebookの「グループ」を使ってフレキシブルに対応していますが、あらかじめ「コメント」への対応フローや想定問答集なども作成しました。ほかにも社内Q&A、社外Q&A、ソーシャルメディアポリシーの明文化などを行っています。

またFacebookの場合は、社員の個人アカウントでも勤務先が表示されますし、情報リークなどもあってはいけないのでコンプライアンスは徹底するようにし、法務部から社内のソーシャルメディアへの啓蒙活動も行いました。
狙いはブランド回復、JALの「顔が見える」ページ 最新フェイスブック教室(5)

んでやっぱりこれですね、「思い入れ」をしっかり伝えることがSNSの役割であって、顧客とのコミュニケーションを実現させることが出来るんですね。

宣伝のみはNG、すべての投稿に社員の想いを乗せる
例えば国内外の旅行ツアーについて投稿をしたいのであれば、ツアーの紹介だけという投稿はNGです。しかし企画者がそのツアーに対する想いや背景を紹介するのであれば、掲載します。もちろんその中には告知ページのURLを掲載しています。
Facebookの目的は「もう一度お客様と向き合うため」–日本航空(前編) – (page 2)

JALほどのファンページもこうして見てみると一朝一夕で今のように賑いのあるファンページになったわけではないのですね。単に「売上」ということではなく、プラスアルファ「何を伝えたいのか」、「何を実現したいのか」目的意識を明確にすることが大事ですね。

JAPAN AIRLINES (JAL)フェイスブック・ファンページ

それではまた!