SNSの運営を見直そう


写真=「写真AC」:https://www.photo-ac.com/
(※今回の記事からどこからの写真か引用元を記載することにしました。有料会員なので問題ないとは思うのですが)

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ぬこファクトリーです。ここ最近のコロナ禍の影響で売上が下がったせいで、ご商売のやり方を見直したり、思い切ってソーシャルメディアをやってみよう!とお考えの事業主さんもいらっしゃるのはないかと思います。

しかし、始めるのは簡単でもなかなか続かないのがソーシャルメディアでして、小売・物流業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】さんでも以下のような記事で事業主がソーシャルメディアを運営する際の課題について紹介されています。

SNSの情報発信は、「やり続ける」ことではじめて成果が発揮される。最初の2週間は新鮮な気持ちで情報発信に取り組むことができるが、やがて反応が鈍いことや、投稿するネタ作りに困り、1ヶ月後ぐらいにはSNSから遠ざかっていってしまうのが、SNS初心者が躓くお決まりのパターンになる。
引用元:巣ごもり消費でも来店したくなる お客様が企業SNSから知りたいこと
小売・物流業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】

実際前の更新日が1年以上経過したままのいわゆる”ゾンビアカウント”もよく見かけますね。そうしたことにならないために具体的にどういったことに気をつければいいのか、改めて見直していきましょう。

目次

何を主とするのか「サービス」か「人」か

まず始めるにあたり、ここが曖昧になっているアカウントが多いですね。お店や会社のアカウントなのにいつの間にか担当者の個人アカウントになってしまっている。これは特にツイッターに多く見受けられます。

なぜそうるのかというと、社内で運営方針を決めていないのと、中身の見直しが出来ていないため運営方針が曖昧なまま運営を開始するからです。
しかしこうした曖昧さが後に継続していくにあたり配信内容を決める際の足かせとなってしまいます。

ただし、文字通り「個人商店」のお店で店長さん=事業主さんの場合はその限りではありません。この場合店長さんはいわば「商品」であり「サービス」です。
個人的なことを配信しても人柄を知ってもらうことにメリットがあるなら配信しても問題ないでしょう。

共感してもらうために何を配信していくのか

これは上記の問題ともリンクするのですが、配信していくコンテンツの内容決定する重要な問題です。
「サービス」なのか、「人」なのかで配信する内容は大きく変わってきます。

例えば小売業などは、販売する商品を写真に撮って説明文を配信したり、店員さんを写真に撮って配信するなどソーシャルメディアと相性のいい業種と言えます。この場合共感してもらうポイントは「サービス」ですね。

逆にお一人で営業されている整体屋さんや、職人さん、レストランオーナーさんなどは「人」となるでしょう。この場合は「人柄」や、その人の持つ「美的センス」が共感のポイントとなるでしょう。

何れにせよソーシャルメディアを運営するにあたり目的を履き違えないことです。

目的とはあくまで「共感してもらうこと」なのです。

ここを勘違いされているアカウントが多く、またそれを悪いお手本としているアカウントも数多く見受けられます。

運営するにあたり向いているSNSは何か

最近よく聞かれる質問に「どのSNSが流行っていますか?」というものがあります。
これは「インスタグラムです。」とお答えせざるを得ません。
事実流行っているからです。

しかし何も考えずに「じゃあインスタグラムを始めます」というのは違います。
業種・業態・運営方針によって「向いているSNS」は違うかもしれないからです。

セール情報やクーポンを出して来客に繋げたいならLINE公式かもしれないし、お花屋さん結婚式場、カーディーラー、カフェなどはインスタグラム、BtoBがメインならフェイスブック、それらと併用して運営するならTwitterを運営するのもいいかもしれません。

何れにせよ、おさらいになりますが、「何を主として配信するか」「共感して欲しいポイントは何か」によって向いているSNSが変わってくるのは当然です。
ただインスタグラムはフェイスブックやツイッターと連動出来ますから、メインはインスタグラムでサブでフェイスブック・ツイッターといった使い方もいいと思います。これもきちんと方針が確定してこそ決定できることですね。

あと最近話題のYouTubeですが、農家さんや工務店さんが作業の様子をアップしてなかなか好評を得ています。専門的な作業は見てもらったほうが早いですから、動画にまとめることで一般の人にも興味を持ってもらえるようです。

ちなみにぬこファクトリーに最適なソーシャルメディアは何かというと、今あなたがご覧になっているこの「ブログ」です。
なぜかというと、

・BtoBがメインである。
・有名になる必要はない。
・ぬこファクトリーの実績や方針を伝えられる機能が必要である。

これらを考慮するとブログがベストであると判断しました。
もう少しリーチを広げるなら「note」を運営するのも面白いかもしれません。

note ――つくる、つながる、とどける。URL:https://note.com/

運営は持続可能か

話を元に戻しましょう。

ここまで企画について検討してきましたが、果たしてその企画内容で、「運営は持続可能」でしょうか?
早い話が”ネタ切れにならないか”ということですね。

そのために投稿内容に関して、事前にいくつかのパターンを想定しておくといいでしょう。

・商品
・店内
・キャンペーン、セール
・店員さんの紹介
・イメージ画像
・営業時間の変更やお知らせ等

特に「商品・サービス」を主とする場合、どうしてもネタ切れになるケースが出てきます。モチベーションを維持するためにもあまり投稿内容に悩まず運営が負担にならない工夫が必要です。

キャラ作りに意味はあるのか

ソーシャルメディアのキャラ作りに私は意味はないと思います。
理由は「共感して欲しいポイント」です。

確かに面白くて、いわゆる”バズる”配信を行うと、沢山の「いいね」がついたり、場合によってはメディアが取り上げてくれてフォロワーが増えたりするケースもあります。

しかし、そうした「面白くて話題になる投稿」に”共感してくれるユーザー”は果たして、本来の目的である「商品やサービス」に共感してくれるでしょうか?
また「人を主とする」場合でも、キャラ作りを行った配信に共感し、お店やネット通販を利用したときに、抱いていたイメージと違った印象を受けたとしたらどうでしょうか?良い印象を持ってくれれば幸いですが、失望された場合には二度と戻ってきてはくれないでしょう。

そもそも「ネットで目立つこと」は本来の目的ではないはずです。それにそのキャラクターは実際のビジネスの現場でも再現性のあるものでしょうか?
作り上げたキャラクターをどうビジネスにつなげていくのでしょうか?
そのキャラクターを不快に思う方がいた場合は機会損失にならないでしょうか?
キャラクター作りの成果を客観的に分析出来ているでしょうか?

実際、個性的な配信を行い話題にはなるものの、ビジネスの実績につなげられていないアカウントもよく見受けます。
差別化とただ目立つことを履き違えないことが肝要です。

とは言え、愛媛県のマスコット「みきゃん」がガチガチの丁寧語で公務員のような対応をするとそれはそれで興ざめですね。
みきゃんは喋るときに「〜やけん」をつけるのが何とも愛らしいキャラクターです。
そこは逆に「みきゃん」というキャラクターのイメージを壊さない工夫が必要です。

ただ必要以上に悪ノリ同然のキャラクター作りと配信は無用であるということです。

あと社内の身内ほど「もっと派手に」「インパクトがあったほうが」と、何も知らない素人さんが何も考えずに言いたいことを言ってくるのですが、彼らにそう言わせる根拠は特にないのです。たまたま何か目についたことを気が向いたから言ってきた、ぐらいのことなのです。

「ほら、このアカウントはこんな面白い配信をしているよ?」と言ってくる人もいます。しかもこれが全部”親切心”から言ってくるので余計にやっかいなのです。

こうした”身内の雑音”を退けるためにも当初の企画立案はしっかり筋道を立てて作っておきましょう。
そうしたら「こういう方針ですから」で済ませることが出来ます。

嫌な顔をされても大丈夫、どうせそういう無責任な人は明日になれば何も覚えていませんから。

ユーザーとのコミュニケーションは必要か

ユーザーとのソーシャルメディア上におけるコミュニケーションは「必要最小限」でいいと思います。
ユーザーの側も必要以上のコミュニケーションは求めていません。

寄せられたコメントに「いいね」をするくらいで十分だと思われます。
ネット上で時々話題になる企業アカウントによる気の利いた返信が、サービスに対する対応などに「神対応」などと過剰に称賛されるケースがありますが気にすることはありません。

そうしたケースは「たまたま」であって、場合によっては炎上していたかもしれないのです。
ソーシャルメディアだから気の利いた返しをしなくては、などと肩肘張らないようにしましょう。

ぬこファクトリーが遭遇したケースでは、昨年中古車イベントのソーシャルメディア運営で「中の人」を拝命したのですが、イベント当日各ブースを紹介しながら投稿していたところ、それをご覧になっていたユーザーさんからメッセージで質問が寄せられ、該当ブースの担当者の方と内容を相談の上返信し、喜ばれました。

ユーザー方も運営側もスマートなコミュニケーションが実現出来たと思います。

エゴサーチは必要か

してもいいと思います。でもしたからと言って、無理にユーザーにコメントやいいねをする必要はないと思います。
特に最近のユーザーは過剰な干渉を嫌う傾向があります。

また、当然ですが、批判的な意見や悲観的な意見であっても取り繕うなどと思ったり、ましてやユーザーに対して批判的なコメントを返すなど言語道断です。
確かにネガティブな投稿だったかもしれませんが、それでもあなたのブランドを覚えていてくれる数少ない消費者なのです。

それを「気に入らない」「腹が立つ」からといってそのユーザーに不快な思いをさせるのは暴力を振るうことや誹謗中傷を行うことと同義です。
ネガティブな意見があったらそのままそっと画面を閉じましょう。

ユーザーに不愉快な思いをさせないために

何度も繰り返しますが、企業や事業者がソーシャルメディアを運営する目的は「共感してもらうこと」です。

ユーザーとケンカしたり、自分の意見を押し付けるためではありません。

ならばソーシャルメディアでは「企業を代表している」「ブランドの代弁者でいる」という意識を持ち、常にホストでいることを自覚しましょう。
政治的なことやトレンドに個人的な意見を配信することもやってはいけません。

「そんなのつまらない」

とお考えでしたら仕事とは関係のない個人のアカウントで配信すればいいことですし、「人を主とする配信」の場合、そこから発生するリスク(誹謗中傷、炎上等)を自覚した上で配信しましょう。

あくまでスマートでフレンドリーに、気持ちのいい配信を心がけましょう。変なユーザーがいあたら証拠となるスクリーンショットを保存して黙ってブロックしておきましょう。

日頃から本を読んで文章力を高めよう

これはソーシャルメディアに限ったことではないのですが、「正しい文章」を「読めない・書けない」人が増えているように感じる機会が多くなりました。
おフザケの配信はそれはそれで楽しいのかもしれないし、時代の流れといえばそれまでなんですが、、やはり正確な日本語による文章配信された内容のほうが信頼されると思うのです。

ここからは個人的な意見なのですが、よくメディアで取り上げられる話題性のあるツイッターアカウントによる運営について、私は昔から懐疑的な意見をとっていました。

それは一時的には世間の耳目を集め、一見成功しているように見えますが、あくまで一時的なことであって、長期的には尻すぼみになってしまい持続性がないからです。話題性のある配信で注目されるためには「より過激に」なっていくしかありません。

派手さや(メディアに喜ばれるような)話題性はなくともユーザーに喜ばれる、あるいは成果を出せる運営は可能です。正確な日本語を使って、好感を持ってもらう配信を可能にするためにも普段から読書する習慣を持つといいでしょう。

まとめ:自分のためだけでなくお客さんのために

というわけで少々お説教くさい内容となりましたが、以上です。
最後に冒頭で紹介した「小売・物流業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】」の記事から再度抜粋です。

お客様に伝えたい思いを持ち続ける

長く続けられない理由は、お客様に「伝えたい」という思いがないからである。

巣ごもり消費書影
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「感染に恐怖して、家で閉じこもっているお客様たちに、少しでも元気になってもらいたい」という思いがあれば、SNSで発信する情報は湯水のように湧いてくるはずだ。お客様からの反応がなかったとしても、自分がお客様に「伝えたい」という思いさえあれば、情報発信のネタに詰まることはない。

 それが「ない」ということは、今までお客様のために商売をしてきたのではなく、自分自身のためだけに商売をしてきたからではないだろうか。お客様のことよりも、自分自身のことを第一優先に考えてきたために、すぐに売上にはつながらないSNSでの情報発信に熱意が傾けられなくなってしまうのである。

 自己中心的な経営者のお店や会社に、お客様が思いを寄せてくれるはずがない。まして、社会が危機的状況に陥った時に、お客様が助けに来てくれるはずがない。

 コロナ禍では、自分自身を守ることで精いっぱいの人が多い。しかし、そのような中でも「お客様のために」と思える気持ちが、お客様の心を動かすSNSの情報発信につながっていくのである。

引用元:巣ごもり消費でも来店したくなる お客様が企業SNSから知りたいこと

うん、本当にその通りだと思います。
なんで昨今のソーシャルメディアが変なことになっているかというと「自分が、自分が」「私が私が」という自分さえ良ければどうでもいいという発想で運営されているアカウントばかりだからのように思うんですが、そうではなくて、あくまで「お客さんありき」で考えるという視線で考えることがソーシャルメディアにおいて一番大切だということです。

ぬこファクトリーも心を改めて常にユーザーさんの役に立つ情報を配信していきたいと思います。
(でもたまにはハメもはずさせて下さいね)

それではまた。